小規模事業者持続化補助金について、行政書士が解説(2024年度版)

目次

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者等」が、今後複数年にわたって実施される制度変更等に対応するために取り組む「販路開拓等」の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とする補助金です。

既存事業の売上・利益の拡大を狙う」「既存事業とは別の新たな事業を行う」などの際に必要な経費の一部を補助する非常に使い勝手の良い補助金です。販路拡大を前提として「生産性向上」に必要な経費の一部についても対象となります。

事例・具体的には・・・・

・中華料理店が、一押しの「えびチャーハン」を店舗周辺の地域だけでなく他のエリアにも宣伝する。

・製造業を対象にDX化を支援してきたシステム開発会社が、今後建設業にフォーカスして事業展開する。

・焼き鳥店が人気の焼き鳥のたれを商品化し、飲食店に販売するほか海外展開を目指し展示会に出展する。

・外壁工事を専門とする建設会社が今後ドローンを活用した簡単な診断をフックに受注件数を上げていく。

・高級生食パン店が、新たにお弁当販売を開始するための調理場の工事を行う。

・ワニ革製造・販売店が今後アパレル事業を開始し、そのためのショールームを開設

対象となる小規模事業者(補助対象者)とは

前述の通り「小規模事業者等」が本補助金の対象となりますが、
具体的には小規模事業者等は「小規模事業者」と「一定の要件を満たす特定非営利活動法人」のことを言います。

小規模事業者

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 :5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 :20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数 :20人以下

一定要件を満たす特定非営利活動法人

下記の要件を満たす特定非営利活動法人は、小規模事業者持続化補助金の対象事業者になります。

(ア) 
法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条に規定される34事業)を行っていること。なお、収益事業を行っていても、免税されていて確定申告書の提出ができない場合は補助対象外。

(イ)
認定特定非営利活動法人でないこと。

(ウ)常時使用する従業員の数 20人以下

制度変更等・・

働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入などを指します。事業者にとって負担となる制度変更に対応するため、販路開拓、生産性向上を通して事業成長・事業拡大を目指す事業者に対して、小規模事業者持続化補助金が用意されています。

補助対象事業

小規模事業者持続化補助金では補助対象者が「補助対象事業」を行うことが必要です。
補助対処事業は下記の①~③までの要件を満たす必要があります。複数事業者が共同で申請する場合は④の要件も満たす必要があります。

  • 策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取組であること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること。
  • 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること。
  • 以下に該当する事業を行うものではないこと。
    ◎ 同一内容の事業について、国が助成する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業
    ◎ 本事業の終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
    ◎ 内容が射幸心をそそるおそれがあること、公の秩序もしくは善良の風俗を害するおそれがあるもの、
    ◎ 公的な支援を行うことが適当でないと認められるもの

申請の種類と補助率・補助上限額

小規模事業者持続化補助金を申請する際には、基本的には「通常枠」での申請で行います。
しかし2022年度においては、通常枠以外にも複数申請枠があり、各申請枠の目的に合った要件を満たすことで申請することが可能です。

類型補助率補助額要件
通常枠2/350万円
賃金引上げ枠2/3
(赤字企業:3/4)
200万円詳細はこちら
(賃金引上げ枠・専門ページ)
卒業枠2/3200万円詳細はこちら
(卒業枠・専門ページ)
後継者支援枠
2/3200万円本申請枠は「アトツギ甲子園」のファイナリストのみが該当者のため、省略します。
創業枠2/3200万円詳細はこちら
(卒業枠・専門ページ)
インボイス特例
(上乗せ)
+50万円詳細はこちら
(インボイス特例・専門ページ)

例えば、「通常枠」で採択され、180万円の機械を購入する場合には「180万円×2/3=120万円」ですが、50万円が貞観額であるため、50万円の補助金交付となります(この場合機械で上限額まで交付されるため、機械以外の購入はできません)。

またインボイス特例の要件を満たす場合には50万円上乗せとなるため、例えば賃金引上げ枠にて申請する場合には、上限が250万円となります(賃金引上げ枠:上限200万円 + インボイス特例:プ上乗せ50万円)。

対象となる経費

小規模事業者持続化補助金の対象となる経費は下記の通りです。

機械装置等費補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費

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広報費パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費

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ウェブサイト関連費販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイト等の構築、更新、改修、運用をするために要する経費、リスティング、バーナー制作などの経費

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展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費

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旅費補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓(展示会等の会場との往復を含む。)等を行うための旅費

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開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費

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資料購入費補助事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払われる経費

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雑役務費販路開拓を行うために必要な業務・事務を補助するために補助事業期間に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費

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借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費

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設備処分費販路開拓の取組を行うため作業スペースを拡大する等の目的で、設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費

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委託・外注費上記に該当しない経費であって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するために支払われる経費(自ら実行することが困難な業務に限る)よくあるケースが販路開拓に必要な内装工事

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申請から補助金交付までの流れ

STEP
事業計画書の作成、その他の書類の作成・収集

事業計画の立案と事業計画書の作成をします。その他、小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類がありますので作成・収集していきます。
具体的には「経営計画兼事業計画書」「補助事業計画書」「補助金交付申請書」「誓約書・同意書」等を作成し、決算書、申請枠に合わせて必要な資料を収集していきます。

STEP
商工会議所・商工会に「事業支援計画書」の発行依頼

小規模事業者持続化補助金は、事業所の住所を管轄する商工会議所または商工会から「事業支援計画書」を発行してもらい申請の際に添付する必要があります。早いうちから小規模事業者持続化補助金を申請する旨を管轄の商工会議所または商工会に伝えておくとスムーズに進めることができます。

事業支援計画書がないとそもそも申請することができません。発行依頼には期限がありますので、ご注意ください!

STEP
小規模事業者持続化補助金の申請

補助金事務局に対して、申請を行います。電子申請でないと申請することができません。あらかじめGビズIDが必要となりますのでない方は早急に作成してください。

STEP
審査

概ね2カ月半、審査期間となります。

STEP
採択・不採択の通知

採択結果は小規模事業者持続化補助金専門サイトにて発表されます。

STEP
補正の通知・交付決定の通知

交付決定の通知が届きましたら、いよいよ補助事業を実施することができます。
補正の通知が来た場合には、補正を行い提出します。審査後問題なければ交付決定の通知がなされます。

STEP
補助事業の実施

事業計画書で示した補助事業を行っていきます(機械等の購入、チラシ・サイト・制作、内装工事など)。補助事業が終了したら実績報告書の提出をします。

STEP
補助事業完了⇒実績報告書の作成・提出
STEP
確定検査

事務局が申請内容どおりに補助事業が実施され、経費が適正に支出されたかを確認します(必要に応じて現地調査・ヒアリングあり)。

STEP
補助金の確定通知
STEP
補助金請求

補助金の確定通知がなされて、初めて補助金請求が可能となります。

STEP
補助金の交付

043-483-8911(9時~22時 土日祝日OK)
info@nextlife-office.com(24時間OK)

小規模事業者持続化補助金の対応地域

行政書士事務所ネクストライフは、小規模事業者持続化補助金の申請サポートを全国対応しております。
対応地域は下記の通りです。

千葉県(千葉市中央区、船橋市、柏市、市川市、松戸市、成田市)、東京都(新宿区、豊島区、千代田区、中央区、八王子市、調布市)、茨城県(土浦市、神栖市、取手市、日立市、水戸市、つくば市)、群馬県(前橋市、高崎市、太田市、伊勢崎市)、栃木県(宇都宮市、小山市)、埼玉県(さいたま市、所沢市、川口市、草加市、大宮市)、神奈川県(横浜市、川崎市)、大阪府(大阪市、堺市)、京都府(京都市)、兵庫県(神戸市、姫路市)、福岡県(福岡市、北九州市)、鹿児島県(鹿児島市、鹿屋市)、北海道(札幌市、函館市、釧路市、小樽市)、青森県(青森市、八戸市)、岩手県(盛岡市)、秋田県(秋田市)、宮城県(仙台市)、山形県(山形市)、福島県(郡山市)、石川県、新潟県(新潟市)、富山県(富山市)、福井県(福井市)、石川県(金沢市)、静岡県(静岡市、浜松市)、山梨県(甲府市)、愛知県(名古屋市)、岐阜県(岐阜市)、和歌山県(和歌山市)、奈良県(奈良市)、長野県(長野市、松本市)、三重県(津市、四日市市)、広島県(広島市)、岡山県(岡山市)、滋賀県(大津市)、鳥取県(鳥取市)、島根県(松江市)、山口県(下関市)、香川県(高松市)、徳島県(徳島市)、愛媛県(松山市)、高知県(高知市)、大分県(大分市)、佐賀県(探し)、長崎県(長崎市)、宮崎県(宮崎市)、熊本県(熊本市)、沖縄県(那覇市)

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この記事を書いた人

行政書士事務所ネクストライフの代表・行政書士の松原輝(マツバラアキラ)です。各種営業許可、外国人ビザ、補助金・融資、相続・遺言はお任せください。

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