事業再構築補助金の「変更点」をご案内【第3次公募からスタート】

【ざっくりまとめ】
〇 「最低賃金枠」が創設される。
〇 「大規模賃金特別枠」が創設される。
〇 「通常枠」の補助上限アップ。通常枠に「従業規模」の設定。
〇 売上高等減少要件の「対象期間」の見直し。
〇 売上高等減少要件が満たせない場合に、「付加価値額の減少」でも対応可能。
〇 新規性要件における「過去に製造等した実績が無い」⇒「コロナ前に」に変更。

令和3年7月30日より第3回の公募がスタートしました。
第3回公募に当たりいくつか変更点がありますので、以下ご案内していきます。

目次

「最低賃金枠」が創設される。

「最低賃金枠」は、通常枠、卒業枠などと並ぶ累計で第3回公募より申請が可能です。
内容としましては・・・

最低沈金引き上げの影響を受けて、その「原資の確保」が困難な特に業況の厳しい中小企業等が取り組む事業再構築に対する支援

となっており、他の枠に比べて優遇して採択を行う、となっています。

具体的な要件

「最低賃金枠」の具体的な要件は下記の通りです。


事業再構築指針の「事業再構築」に該当する事業であること【事業再構築要件】


売上高等減少要件をクリアしていること(後ほどご案内します。)【売上高等減少要件】


下記のいずれかの要件を満たすこと【最賃売上高等減少要件】
(ア)2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少
(イ)2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が 対前年又は前々年の同月比で45%以上減少


2020年10月から2021年6月での間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること【最低賃金要件】


事業計画を認定経営革新等支援機関と策定していること【認定支援機関要件】


補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】

補助金額・補助率

補助金額【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20人】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数21人以上】 100万円 ~ 1,500万円
補助率中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3

「大規模賃金特別枠」が創設される。

「大規模賃金特別枠」も新たに創設されました。
これについては

多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援

となっており、大規模賃金特別枠については「すべての公募回の合計で、150社限定」という限定枠となっております。

具体的な要件

「 大規模賃金特別枠 」の具体的な要件は下記の通りです。


事業再構築指針の「事業再構築」に該当する事業であること【事業再構築要件】


2売上高等減少要件をクリアしていること(後ほどご案内します。)【売上高等減少要件】


事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関と策定していること【認定支援機関要件】


補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】


補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること【賃金引上要件】


補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること【従業員増員要件】

補助金額・補助率

補助金額8,000 万円超 ~ 1 億円
補助率中小企業者等 2/3(6,000万円超は1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円超は1/3)

「通常枠」の補助上限アップ。通常枠に「従業規模」の設定。

事業再構築補助金では、「通常枠」での補助上限は前回までは「6,000万円」となっておりましたが、
第3回公募から「8,000万円」となります。

ただし誰しもが8,000万円を目指せるものではなく、新たに「従業員規模」が設定されたことにより、
その上限が設けられることとなりました。

補助額【従業員数 20人以下】 100万円~ 4,000万円
【従業員数 21~50人】 100万円~ 6,000万円
【従業員数 51 以上】 100万円~ 8,000万円
補助率中小企業者等 2/3(6,000万円超は 1/2)
中堅企業等 1/2(4,000万円超は 1/3)

売上高等減少要件の「対象期間」の見直し。

売上高等減少要件についてはこれまで「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること」という内容でしたが、これまでの要件に加えて第3次公募からは下記の内容でも大丈夫です。

以下のいずれも満たす必要があります。

(a)
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している

(b)
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少している

売上高等減少要件が満たせない場合に、「付加価値額の減少」でも対応可能。

行政書士事務所ネクストライフにご相談のあったお客様の中には売上高等減少要件を満たすことができない方もいらっしゃいました。しかし内容を確認すると「売上は前年よりもむしろ良い、しかし売上を上げるために広告宣伝費や外注費を散々費やしているため、残る利益は前年の50%もない」という散々なものでした。

この度の「付加価値額の減少」要件については、そのような事業者様の助けとなるのではないでしょうか。

以下のいずれも満たす必要があります。

(a)
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少している。

(b)
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少している。

※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

新規性要件における「過去に製造等した実績が無い」⇒「コロナ前に」に変更。

これまで「過去に製造等した実績が無い」という要件であったため、「申請時に既に行っている新たな事業」について事業再構築補助金を申請することができない事業者様が数多くいました。

しかし「コロナ前に」という文言になったおかげで、申請時に既に行っている新たな事業であっても「コロナ以降に行っている」のであれば要件を満たせるようになりました。

まとめ

3次公募を含め、残すところあと3回の事業再構築補助金。
いろいろと変更や追加の要件があり、それまで要件をクリアすることができなかった事業者様も、第3次公募から申請できる可能性が増したと思います。

また本記事を作成している2021年8月2日現在、東京、沖縄の他、埼玉、千葉、神奈川、大阪の6都府県に緊急事態宣言がは発令されています(北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置)。

特に新型コロナウイルスの影響の影響を受けている地域や事業者様に置かれましては、
コロナ禍にも耐えられる事業転換の必要性が急務です。

この機を逃さず力強い事業計画の策定をなさってください。

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この記事を書いた人

行政書士事務所ネクストライフの代表・行政書士の松原輝(マツバラアキラ)です。各種営業許可、外国人ビザ、補助金・融資、相続・遺言はお任せください。

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