古物営業を行う上で「取引相手の確認義務」は、古物営業の三大義務の内の1つに挙げられるほど重要な事項です。盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るためにも、この義務については押さえておかなければいけません。
本記事では、この対面による「取引相手の確認義務」について古物営業許可申請を何度も行ってきた行政書士がご案内します。
古物営業法における対面による「取引相手の確認義務」の具体的内容
古物営業法では、「古物を買いとる」「古物と他の物を交換する」「古物の売却又は交換の委託を受ける」場合、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。」とされています。
①
本人の住所、氏名、職業及び年齢を免許証、保険証、マイナンバーカードなどの身分証で確認すること。
②
本人の身元を確認できる家族など第三者へ問い合わせる。
③
本人からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(面前での署名に限る。)の交付を受けること。
④
本人からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名が行われているものの提供を受けること。

③の署名は、面前でールペン等により明瞭に記載してもらいます(消えるボールペン注意)。記載された住所、氏名、職業又は年齢が疑いがあると認めるときは、身分証等によりその住所、氏名、職業又は年齢を確認する必要があります。
上記①~④はあくまで対面の場合の取引相手の確認方法であって、非対面の場合(インターネットによる買取等)はその他確認方法が法令により規定されています。
18歳未満への対応
都道府県の青少年健全育成条例において、「古物商が、18歳未満の者から物品を買受け、若しくは物品の販売の委託を受け、又は青少年と物品を交換する」ということが記載されています。
そのため、本人確認を徹底するのはもちろんのことですが、身分証等が偽造されていないか、記載内容に疑いが無いかということについても十分気を付ける必要があります。
本人確認が免除されるケース
本人確認が免除されるケースがあります。
具体的には下記のケースでは本人確認をしないでも大丈夫です。
〇 対価の総額が1万円未満の場合
〇 自分が売却した古物を、相手から買い戻す場合



上記の「対価の総額」は、取引古物の個別の単価ではな
く、一取引に持ち込まれた古物すべての総額のことです。
しかし「上記の1万円未満の場合」には例外があり、下記の取引については、たとえ1万円未満であっても本人確認が必要になるのでご注意ください。
①
自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)
※部品であっても「ねじ、ボルト、ナット、コードその他の汎用性の部分品」は除きます。
②
専ら家庭用コンピューターゲームに用いられるプログラムを記録した物(ゲームソフトなど)
③
光学的方法により音又は影像を記録した物(CD・DVDなど)
④
書籍
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